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ボカロとか東方とかWJとかが好きなかんりにんの、夢とか日々とか妄想とかが詰まった小さな部屋。

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ネギトロ小説書けたよー!

えっと、この春休みはネギトロ小説書きまくることを宣言し…ます。いやたまにだいだい&しらあいに走るけども。

小説書くのに私の場合ノートに書いて、それを打ち込むって言う2段階構造になってるので、2日でノート書いて1日で打ち込めたらベストなんじゃないか…!と、眠い頭で思いましたがたぶんそれがベストです。今この段階で無理な気がする←

宿題とかあるしまあどれだけできるか分かりませんが、最低5本ぐらいは書きたいな。
ネタがもうないのですでにピンチです。あ、リクくれたら書くかもしれませんよー(か細い声で)


それでは、続きよりどうぞ。


 マスターは最近私とルカでデュエットをするのが好きだ。作詞も作曲もアレンジも一人でこなすマスターは、仕事の速さがほかのプロデューサーと比べて早い方だった。そして今、マスターは長期休みに突入したところだ。要するに。

「毎日ミクちゃんとお仕事できるとかすごいぜーたくよねっ」
「そうですか」

 家でも仕事場でも、私は毎日ルカちゃんと一緒に過ごしてるのです。だけど…。

「え、軽っ。ミクちゃんはうれしくないの?」
「いや、まぁ、うれしいよ」
「なんか気持ちが伝わらないよ!」

 …正直、おなかいっぱいです。

 私とルカちゃんは恋仲にある。今こうして言葉や態度にありありと出てるルカちゃんの好意に負けないぐらい、私だって彼女が好きだ。軽いとか伝わらないとか言われたけど、そういうことをほいほい言っちゃうルカちゃんもどうかと思う。言葉にしてくれるのはうれしいけど。
 ちょっとでも長い時間一緒に居られるのはうれしい。それはあたりまえのことだと思う。でも、いざ仕事で会うとなると、途端に話は変わってしまう。どんな事象にも例外はあるのだ。そのことに気付いたのは、初めてルカちゃんと仕事をしたとき。そしてその例外は、あれからずいぶん経った今だって適用される。

「んじゃ、先ルカ入って」
「はい」

 隣に座っていたルカちゃんが、すっと立ち上がり示された部屋へ入っていく。その振る舞いがついさっきまでと違ってきっちりしていたので、ちょっとどきっとした。
 ちなみにルカちゃんは他の人と接するときはちゃんと態度を変えている。だから、私にべったりなルカちゃんは私しか知らない。外ではそんな彼女を想像できないほどすごくしっかりしているし。素顔を私だけが知っている、それだけで私はルカちゃんを独占できていることを自覚して頬が緩んでしまうのだから、やっぱり私だってルカちゃんに負けないぐらいルカちゃんが好きだ。

「本番いくよー」

 レコーディング室の外のベンチに腰かけて、私はルカちゃんを見ていた。すると視線に気づいたらしいルカちゃんが、微笑んでウィンクまでしてくれた。その数秒後に本番が始まって、ルカちゃんの表情が真剣なものに変わる。

 ――ああ、これだ。だから、ルカちゃんと一緒に仕事をするのは好きじゃない。

 いつものあんなにじゃれてくるルカちゃんが、こんな真剣な姿勢で歌と向き合ってる。歌う時のルカちゃんがあんまりかっこいいから、いつも私はそんな彼女から目が離せなくなる。そしてそのたびに、私はどうしようもなく恋に落とされる。頭の中がルカちゃんでいっぱいになって、自分が歌うパートのことだってかすんでいく。歌っているルカちゃんが好きすぎて、私は仕事どころじゃなくなってしまう。仕事が疎かになってしまいそうで、だからルカちゃんと一緒の仕事は好きじゃない。今だってほら、私の番だ、って呼ばれたのに、若干反応できなかった。

「あ、はい!」

 私は勢いよく立ち上がり、扉の前まで小走りする。そしてふと立ち止まり、深呼吸を一つしてからドアノブに手を掛けた。




「やっぱルカちゃん歌うまかったなぁ」
「ミクちゃんの方が上手よ」
「そうかなー」
「そうだよー」

 なんて言って笑いながら歩く帰り道。話題は当然のごとく今日の仕事のこと。言い合ってもキリがないのでもうやめようと私が提案して、ルカちゃんも同意した。大体声質からして私とルカちゃんは違うのだから、比べるのも無粋だ。…とは言うものの。

「なんでルカちゃん歌上手いのかな?」
「やめるんじゃなかったの?」

 あはは、と笑ってルカちゃんが返す。歌ってる時のかっこいいルカちゃんも好きだけど、はにかみ笑顔のルカちゃんもかわいくていいな。なんて思ってる間に、ルカちゃんが私の発言の答えをくれた。ボイトレのコツだとか、普段気を付けていることだとか。

「あとは…ミクちゃんのおかげかな」
「………は?」

 いきなり自分の名前が出てきて、私は思わずそんな返事をしてしまった。しかしそんなこと意に介さないルカちゃんは、なぜかうれしそうに続きを話す。

「歌ってるときいつもミクちゃんのこと考えてるよ。ミクちゃんにプレゼントするつもりで歌うと、もっと気合が入って良くなる気がするの」

 無邪気な笑顔でそんなことを言うルカちゃんに、私は赤面するしかなかった。あんなかっこいい顔でそんなこと考えてたの?とか、仕事に私情を挟むのはどうなの?とか、いろいろ言いたいことはあったけど、

「ばっ…か、じゃん…」

としか言えなかった。

「えへへ、ミクちゃんばかって意味ではそうかも」
「ほ、ほめてないよ…?」
「いいのいいの。…ね」

 ルカちゃんが少し駆けて私の前へ回り込む。そして未だ笑顔のまま、一言。

「大好きだよ、ミクちゃん」

 顔の熱が、また、上がる。

「ば…っ!ばかばか!なんで道歩いてんのにそーゆーこと言うの?!」
「いいじゃん他に誰もいないよ」
「いきなり角曲がってきたらどーすんの!」
「曲がってこないから大丈夫」
「ああもう、ルカちゃんのばか…」
「だって好きだもん」
「だから…!」

 それから家に着くまでの間、ルカちゃんはたくさんの「好き」を連呼してくれて、私はたくさんの「ばか」を連呼した。ほんとは私だっていっぱい「好き」って言いたかったけど、公道でそんなこと言えるほど私は無恥じゃない。だけどまぁ、ルカちゃんがばかっていうなら私だってそうだと思う。

(…だって、君(ばか)に恋してる)

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