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ボカロとか東方とかWJとかが好きなかんりにんの、夢とか日々とか妄想とかが詰まった小さな部屋。

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ルカたんじょうびおめでとーーーーーーーーーー!!
編です。いやー、間に合ってよかったぁ!ほんとに、ルカの誕生日を祝えなかったらさいあくですよ。
まぁ、タイトルはありがちですけど、そのままですね。それ以外に思いつかなかったんです。すいません。

あと、コメント返信は反転でお願いします!

>マサさん
 コメントありがとうございます!ミクのCD買ったんですか!いいですね。私はラジカセが無いんでCD買ってもあんまり意味ないんですよね…。買いたいとは思うんですけど。なんかうらやましいです…!
 ところで、創作って何をされてるんですか?もしよければ教えてください^^




 今日は朝早く仕事で家を出て、一日中歌いっぱなしだった。

もちろん誰とも言葉を交わしてないし、そもそも誰の顔も見ていない。

一人で朝食をとるのは淋しかったし、顔を洗うのも、髪を梳かすのも、着替えるのも、全て行動は淋しかった。一人静かにいってきます、を言って扉を開けて、そして静かに閉める。静かに鍵をかけて、静かに歩きだす。

無論、外の世界にもヒトなんて一人もいなかった。ただ、現実世界とリンクしている晴れ空だけが、こんな私をずっと見ていた。そして私も、そんな青の中に混ざらないはぐれた白を一つ見つけて、私と一緒だなぁ、なんて考えながら、マスターの待つ仕事場へ、寒空の下を歩いた。

 

 

 

いくら仕事だと言っても、一日中歌い通すのはさすがにしんどい。私はソフトウェアだけど、一応一通りの思考回路と感情と感覚機能は備わっている。だからしんどいって思えるんだなーと一人で納得しながら、満天の星空の下、帰路を歩いていた。

 

家に帰ったら、何をしよう。今日はちょっとしたイベントデーだけど、きっとみんな寝ているだろう。だってもうこんな時間なんだもんね。なら私も、シャワーを浴びたらすぐに寝ようかなぁ。疲れちゃったし。

 

そんなことを考えている内に家に着いた。ふぅ、とひとつ小さくため息をついて、冷たいドアノブに手をかけて、回した。

 

すると…

 

「たんじょーび、おめでとう!!」

 

 高低様々な声が飛んできて、同時に天井に吊るしてあった紙製の白いくす玉が、パン!と鳴りながら割れた。一瞬遅れて色とりどりの紙吹雪が目の前を舞う。くす玉から下がっている縦長い紙には、Happy Birthdayと、1文字1文字フォントの違う、不慣れな英字が書かれていた。

 

「…!」

 

 前言撤回。疲れなんて、一瞬で吹っ飛んだ。

 高さも色彩もバランスも違う顔は、みんな同じ様に満面の笑顔で私を迎えてくれた。私は少し驚いて、体中から嬉しさが込み上げてきて、言葉を発する前にまず泣いてしまいそうだった。

 

 じわ、と涙がにじみ出てきた瞬間に、それを止めるようにリンちゃんが私に飛びついてきた。その勢いで後ろに倒れそうになるのを、反射的に1歩退げた左足でくい止める。後からレン君も、その小さい背中を追いかけるように私の方へ駆けてきた。もう少し向こうで、メイコさんとカイトさんが温かい目でこちらを見ていて、ミクちゃんは口角を吊り上げてにこにこと笑っている。

言いたいことが次々と頭に浮かんできて、けれどもなぜかそれらは口には出なかった。ただただ脳裏を駆け巡って、声に出そうと唇がかすかに動くだけだった。こういうのを感動のあまりって言うんだろうなぁ、なんて、今この状況とは全く関係ないことが頭をよぎった。

私に抱きついていた金髪の彼女はぱっと顔を上げて、それから早口で言った。

「あのね、お姉ちゃんにケーキあるんだよ!しかもおっきいの!」

 彼女のその無邪気な笑顔は、いつにも増して輝いていた。

「晩飯もおれら全員で作ったんだぜ」

 へへ、と誇らしげに笑うレン君を見て、子どもっぽいトコもあるんだな、と思った。ばかにしてるとかそういうんじゃなくて、純粋にかわいいっていう意味で。

「ほらリン、主役をステージに連れてかないと」

「あ、そうだった!」

 メイコさんにそう言われたリンちゃんは、私の背中に回していた手をするりと外して、そのまま流れるように私の手をとった。

「1名さま、ごあんないしまーすっ!」

「はいはいっ」

 元気良くかかった号令に従って、空いている方の手をレン君が握って二人に引っ張られる。それに急かされながら靴を脱いで玄関へ上がり、小走りながら廊下をまっすぐ進む。途中、横にいたカイトさんに肩に掛けていたかばんを手渡して、ミクちゃんが開けたドアの向こうへ駆け込んだ――

 

「――!!」

 

 視界に飛び込んできたのは、テーブルの上一面に並べられた彩りどりの料理。一つ一つから湯気が立ち上っていて、私が帰ってくるほんの数分前くらいに出来上がったのだろうと思った。そして隅の方から現れた、まるでいたずらを成功させたときの子どものような笑顔のみんな。

 

――涙腺はとっくに限界を超えていた。

 

「!?ルカ?泣いてるの?」

「あっ…すいません。もううれしすぎて、なんて言ったらいいのか…」

 あとからあとからこぼれ出てくる涙を指先で拭いながら、言葉を紡いだ。ほんとうに、どう表せばいいか分からないくらいにうれしい。だって、もうだいぶ遅い時間なのに全員が起きていて、しかもわざわざ迎えてくれた。くす玉だって、作るのはカンタンじゃなかっただろうし、目の前に並べられた数々の手料理もそう。でもやっぱり、これらすべてが私のためだってことが一番うれしかった。

 

「とりあえず、みんな座ろうか」

「はーいっ」

 一斉に動き始めたみんなと同じ行動をとる。自分の座席へ向かって、上着を脱いで椅子の背に掛けてから腰を下ろした。

 もう一度食卓を隅から隅まで眺めて、それから胸を張るような笑顔のミクちゃんリンちゃんレン君と、優しい笑顔のメイコさんカイトさんと目を合わせた。

「…みんな、私のためにこんなにしてくれて、ありがとう…!」

 一度涸れた涙が、もう一回溢れ出てきそうだった。一人喜びに浸りながらそう言うと、私のよりいくらか高い声がそれをやんわり否定した。

「ちがうわ、ルカ。それはあたしたちのセリフ」

 ゆるゆると首を振ったメイコさんに続いて、カイトさんも口を開いた。

「うん。ルカ、ここに来てくれて、ありがとう」

「ありがとう!これからもよろしく!」

 

 結局、また泣いてしまった。こんなに感動したのは、生まれて初めてかもしれない。

 

「ルカちゃん、せっかくのたんじょう日なんだからさ、もっと笑おうよ」

 ミクちゃんに言われてはっとした。そうだ。今日は悲しい日でも、辛い日でもない。うれしい日なんだ…!

 

「…うん!」

 

私は手の甲で涙を拭って、笑って見せた。

 

「さ、ぱぁーっとやりましょーよ!」

 一人ひとりのコップにメイコさんが麦茶を注いでいく。そして私の所に来たときに、ありがとうございます、と言ってコップを差し出した。

「あれ?ルカお姉ちゃん、お酒飲まないの?」

「あ、そういやそーだよな?」

 不思議そうに双子が言った。彼女たちは、たぶん知らないんだ。私がメイコさんに、絶対にお酒は飲むな、と言われていることを。その理由は私自身も知らないけど。

「ほ、ほら、淹れたよ、ルカ」

 それを聞いたメイコさんは慌てたようにそう言って、足早に自分の席へと戻った。双子は状況が読めないようだった。

「じゃ、ルカの誕生日を祝って…」

 

「かんぱーいっ!」

 

コチッと音を立てて、一斉にコップを触れあわせた。

 

 

 

 

今日の夕食は豪勢だった。これは誰が、あれは誰が作ったんだよ、そう言って解説してくれたリンちゃんに急かされて、あれこれ口に運んではコメントを付けたり、残り一つになったおかず一品の取り合いがいきなり始まってたり、ご飯をいっぺんにかき込み過ぎてのどを詰まらせたカイトさんにあわててお茶を飲ませたメイコさんとか、さっき見た時は肉料理だったのにいつの間にかそれをねぎ料理()へと変換させたミクちゃんとか。食事中にもかかわらずアイスをとってきて食べ始めたカイトさんに並行してバナナを食べ始めたレン君、それを怒るけど自分は酔っ払ってて何を言ってるのかさっぱり分からないメイコさんを見て笑うねぎ…もといミクちゃん。こんなにぎやかな中よく寝れるなぁ、と感心するくらい爆睡したリンちゃんに同じく寝息を立て始めた赤い顔のメイコさん。そんな二人に毛布をかけてから、空になったお皿を下げて、玄関のくす玉とか床に飛び散ったお茶とかお酒とかの後片付けを4人でして、それからお開きした。レン君はソファで寝てるリンちゃんに寄り添って寝て、ミクちゃんとカイトさんはあくびしながら自室へ戻って行った。

 

私はシャワーを浴びて、パジャマに着替えて、自室に入って布団に潜り込んで現在に至る。

 

思えば料理って、別に上手くなくても、みんなで楽しくはしゃぎながら食べればそれだけであんなに豪勢なものになるんだなぁ。私だけじゃなくて、みんな楽しそうだったから、今日の食事はすごくいいものになったと思う。みんなが笑っていてくれたら、それだけで私もうれしくなる。楽しくなる。

 

 

…はずなのに、なにか足りない。

あんなにはしゃいで、ご飯もおなかいっぱい食べて。それなのに、なにかが足りてない――。

 

 そう思った瞬間に、ふと、あることに気付いた。

 

 …全然眠くない。

 

 

 その時、廊下の方で足音が聞こえた気がした。だんだん近づいてくる。

 なぜか、それが気のせいだとは思わなかった。むしろ期待さえしていた。――彼女でありますように。

 

 コンコン

 

 ドアを叩く音が鼓膜を震わした。とくっ、と心臓が跳ねる。

 はい、と小さい声で返事をしながら、上体を起こした。

 

「…いま、いいかな?」

 

ああ、よかった。彼女だ。

私は迷うことなくベッドから抜け出して、ドアの前に立って、取っ手をひねった。ゆっくり引いたドアの向こうには、寝る前だったからだろう、その長い髪を束ねていない、私と同じような寝巻姿の彼女―ミクちゃんがいた。

 

「…ぜんぜんねむれなくて」

 

苦笑いしながらそう言った彼女は、どう見ても眠たそうだった。足元はいつ倒れてくるか分からないくらいふらついてるし、今のセリフもあんまり上手く言えてなかったし、目は半分も明いてないし。そんな状態でよくここまでこれたなぁ、と、呆れ半分に思った。

「…とりあえず、入ったら?」

 どうしたの?と聞く代わりにそう誘うと、彼女はゆるゆると首を横に振った。

「はい、コレ」

 彼女は自分の背中に回していた手を外して、私の目の前にそれを持ってきた。さっきからちらちら見えてて気にはなっていたけど…これ…。

「どうかな?がんばってつくったんだけど…」

 それは、はちゅねのぬいぐるみだった。浅葱のツインテールにほっぺたのぐるぐる。あ、ちゃんとねぎも持ってる。すごく、かわいい。っていうか、目の前にいる本人とそっくりだ。

「…くれるの?」

 一応尋ねてみると、彼女はにっこり笑って首を縦に振った。

 

「たんじょうび、おめでとう」

 

三度目の正直。泣きそうになるのをこらえて、私は彼女からそれを受け取った。

「ありがとう」

 そう言うと、彼女は安心したように、どういたしまして、と言って、それから力尽きたように私の方へ倒れてきた。

「わっ、ミクちゃん?」

 危機一髪で、彼女の体が倒れるのを支えた。

 見ると彼女は、なんとも微笑ましい顔で眠っていた。

 

「…よいしょっ」

 ただでさえ腕力のない私に、こんな重労働は合ってない。すやすやと眠ってしまった彼女をなんとかベッドの上へ運んで、私もその隣に寝転がる。足元にある掛け布団を引っ掛けて、二人の上に掛けた。

 

 ふぅ、と一つため息をつくと、急に眠気が襲ってきた。時計の短針は、もうすぐ2…ちがう3だ。3を指し示しそうだ。

 

「…おやすみ。ミクちゃん」

 

 彼女の柔らかい唇に触れたら、一瞬で視界は暗転した。

 

 

 










以下蛇足(反転)
 双子は状況が読めないようだった。それでいい。もしそれでルカにそのことを突っ込まれて、無理にでもお酒を飲んでたら…!

(…あの子、酔っ払ったら何をするか分からないもの…!)

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