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ボカロとか東方とかWJとかが好きなかんりにんの、夢とか日々とか妄想とかが詰まった小さな部屋。

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はぁ…やっと上がった…。お話第二弾でございます。
いやー、本当はもう少し長いお話だったんですけどね、なぜか少しばかり短くなってしまいました。
えと、はじめのほうっていうか、半分ルカ視点で、もう半分はミク視点です。ミクルカ…?ミクリン…?っていうかんじです。それでもいいぜ、しかたないから読んでやるぜ!という方は、続きからどうぞ。

あ、それと、キリ番設定しました。いつキリ番くるかは伏せておきます。…にしても、ちゃんと設定できたかなぁ…。ブログやるのは初めてなので良く分からない管理人です。ので、何か不具合等ありましたらお手数ですがお知らせくださいますようお願いします。




「…!!」

 動画サイトを見ていたルカは、動画から動画へジャンプしている内に一つのある動画を見つけた。いや、見つけてしまった、と言うべきなのか。

 

 

 

バンッ!

 部屋の戸を乱暴に開けて、ルカは廊下へ飛び出した。ぱっと首を右に回すと、そこには目を大きく見開いてこちらを見ているミクがいた。いきなりの大きな音に驚いたようで、その場から一歩も動けないようだった。

 ルカは、見つけたっ、とミクの元へ小走りで向かい、それから唐突に質問を突き付けた。

 

「ボク?」

「うんそう!ミクちゃん昔、自分の事ボクって言ってなかった?」

 そう言ってルカは右腕のアームのボタンを操作して、モニターから10㎝四方程のホログラムを映した。それはある動画の映像で、その中にいる“初音ミク”は一人称を“ボク”としていた。

 ルカは、ほら、と言いたげな顔で、ホログラムの映像をまじまじと見つめるミクの顔を見ていた。ミクはしばらくその動画を睨みつけるように見ていたが、残り数十秒というところで停止ボタンをゆっくりと押した。そしてボタンを押したときと同じような速度で顔をあげてから、あまり良くない思い出を思い出してしまった、というような顔でルカの顔を見て言った。

 

「…それで?」

 

 その予想外に低い声に少し驚いて、それでもココロの底から湧き出てくる好奇心を止められるはずもなく、ルカは口を開いた。

「…言ってみてよ」

「言うと思った」

 ミクは呆れたように大きくため息をついて、それからとびっきりのふてくされた顔で、だめだよ、怒られる、と言った。

「それに、わたしもいやだし」

 困った、という風に前髪のあたりを軽く掻いた。ルカはそれを見て、少しためらいながらも問いた。

 

「…なんで?」

 

 するとミクはパッと顔をあげて、ルカの瞳を覗き込みながら問い返した。

 

「ルカちゃんが望むそれは、単なる二文字でいいの?ちがうよね?わたしの一人称を変えてほしいんだよね?」

 

思いのほか力強い口調に、一歩後退してから軽く頷いた。それはそうに決まっている。彼女が自身の事をそう呼ぶ光景を見たかったから、あんなことを言い出したのだから。でなければ、こんなに言われても引かない理由がないのだし。っていうか、そんなにいやなの?一人称変えるだけでしょ?

ルカのその細かい動作を見たミクは、その深い瞳の色を変えることなく話し始めた。

 

「はぁ…。いい?ルカちゃんはわたしとプログラムがちがうからどうか分かんないけど、わたしは一人称を変えようと思ったらさぁ、プログラムを一からぜんぶ新しい情報にこーしんしないとだめなの。っていうか自動的にこーしんされるの。ここまでいい?」

 いきなりぺらぺらと喋り出したミクに戸惑いながらも、首を数回縦に振った。

 ミクは途端に表情を変えて、苦笑いしながら、ここからが問題なんだよ、と小さく呟いた。

「プログラムがぜんぶ変わるってことは、人格データもとうぜん、書きかえられるでしょ?」

「うん」

「そこがだめなの。一人称を“ボク”設定にしたときの人格データ、お姉ちゃん曰く大変なことになるんだって。」

 それを聞いた瞬間、ルカはひとり息をのんだ。メイコさんが大変だっていうくらいだから、きっと想像もつかない程の事なんだろう。それなら、いくら見たくったって、やめておいた方がいいのかも知れない。ミクちゃん本人もいやだって言ってるんだし、それをねじ曲げてまで見ようとする事はきっと間違っている。私はここでとどまった方が、私にとってもミクちゃんにとっても、みんなにとってもいいのかも知れない。いや、絶対にそっちの方がいい。そうに決まっている。

 

 そんな脳内審議の結果、

 

「……じゃ、やめときます」

 

 という結論に至った。

 ルカがそう言うと、ミクの顔は一変、いつもの笑顔に戻った。

「うん。あっ、べつに一人称をかえるのがいやとか、そういうんじゃないからね」

 にこにこしながら話すミクに、ルカも微笑みながら言った。

「ううん。私こそ、無理に頼みこんじゃってごめんね」

 じゃあ、部屋に戻るね。ルカはそう言って踵を返して、開けっぱなしてあったドアの向こう側へ消えていった。

 

 

「…お姉ちゃん、ルカお姉ちゃんとなに話してたの?」

 ミクが廊下で一人、ルカからの唐突な質問と依頼を却下できて胸を撫で下ろした瞬間、階段の壁からリンがひょこっと現れた。ミクはリンのいきなりの発言に一瞬身が竦んで、それから恐る恐る声のした方へ首を回した。

「……なんだ、リンか…」

「…?」

 ほっ、と息をつく。リンはてとてとミクの目の前まで来て、もう一度、先ほどの質問を繰り返した。

 

「いや、ルカちゃんがさ、わたしの一人称を“ボク”にしてって言うから、必死で反対したんだよ」

 ミクがそう言うと、リンは、ああ、なるほど、とでも言う様な顔をした。

「わ、なつかしいね。そう言えばミク姉、昔自分のことボクって言ってたねぇ」

 あの頃のミク姉、なんかいろいろすごかったよね。リンがそう言った瞬間に、ミクはどことなく恥ずかしそうに笑った。リンはその顔を見てから、え、じゃあ、と続けた。

「ルカお姉ちゃん、ミクお姉ちゃんが“ボクっ子”のときのこと、知らないの?」

「知らないよ?だって、リンとレンが家に来て1、2カ月ぐらいでボクっ子やめたもん」

「もうそんな前だっけ?なんかもっと最近までボクっ子だったかんじするけど…」

「わたしもだよ」

 ミクは、自分より幾分低い頭をなでながら言った。

 思い返してみたら、一人称を“ボク”から“わたし”に変えただけで、性格も歌い方もしゃべり方も、いろいろ変ったなぁ。良くも悪くも。さっきルカちゃんに言ったコト、案外その通りなのかも知れない。あーでも、“ボクっ子”の時のことは、できれば思い出したくないなぁ…。あの頃の私の無恥さといったら、ねぇ?まぁ、あの頃があるから、今のわたしがいるんだけど。それでもやだな…。だから一人称変えたわけだし。

 

 そんなことを考えながら、あ、そうだ。いつかルカちゃんにあやまらなきゃ、と、独り言をつぶやいた。するとリンが頭を上げて、どうしたの?と尋ねた。

 

「…ううん、なんでもない」

 そう言って、下行かない?のどかわいちゃった、と、リンの手を引いて階段を下りて行った。

 

 

 

 

(……ごめん。あれぜんぶうそ)

 

あでも、“大変なこと”っていうのは、ある意味事実かな。

 

 

 

 


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