ボカロとか東方とかWJとかが好きなかんりにんの、夢とか日々とか妄想とかが詰まった小さな部屋。
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鏡音生誕3周年&Append発売おめでとー!
知らない風景。まるで映画に出てきそうな街並み。あたしはそこで、行き交う人々の真ん中に立っていた。
踏んだ地面も建物も石造り。あっちへこっちへ行く人の服は見慣れない。結婚式とか、そういうところで着るような服を着た人がたくさんいる。馬が人を乗せた車を引いて走ってる。
なに、これ。
知らない。知らない。
どこ?ここ。
ミク姉もルカちゃんもめー姉もいない。カイト兄も、レンも。みんないない。
かつかつとせわしなく鳴り響く足音が耳を塞ぐ。人混みがすごい。と、あたしはよく見た面影を見つけた。レンだ。人の流れを上手く避けながら、あたしはレンに近付こうとした。
「レン!」
何メートルもある距離で、あたしは叫んだ。
「レン、レンっ!まってどこ行くの?」
レンはこっちに気付かない。それどころか、周りに遠慮する気配もなくさっさと歩いていく。まるでなにかに急かされるように。
「レン!まってよあたし!リンだよ…!」
あれ?なんでそんなカッコしてんの…?
レンはこの世界に溶け込んでいた。それはつまり、あたしからすれば見慣れない恰好。いつもは着ないカッターシャツの上に堅苦しい上着。よくみたら、髪もいつも留めてる位置よりずっと低いところで結ばれていた。
レン…じゃない…?でも、見るほどレンみたい…。
おぼろげににそんなことを考えている内に、レンはどんどん進んで行って、雑踏の中に紛れて消えていってしまった。
「そんな…」
どうしよう。家に帰れない。ほんとにここ、どこなの…?
きょろきょろと周りを見回す。すると、さっきまであんなに混んでいた道路が一気に開けていっていた。ど真ん中に立ち尽くすあたしをおいてけぼりにして。
「―――――!」
道の端にいた男の人が、こっち向いて何か叫んでる。でもそれはあたしの知る言語じゃなくて、微塵も理解できない。あたふたしてるあたしを見て、だけどだれも近付いてこない。ただ叫ぶだけ。
なんなんだろう。
そう思ったその時、なにかを知らせるような甲高い管楽器の音。行進曲でも披露されるのかな、なんて吞気なことは考える暇さえなかった。道端にいる全員が驚いて、顔を青くして手招く。早くこっちに来なさい、と。その顔の青味に、あたしはすぐにここを退かなければいけないと察知した。察知して、駆ける、一歩目を踏んだ、時。
「―――!!」
ビクッ。
肩を揺らして、声のした方を見る。なんだろ。冷や汗が出てきた。なんで?なんでこんなに、心臓がうるさいの…?
周りの人は顔を伏せた。ここから続く一本道、その向こうには。
………王女様。
兵隊の恰好をした集団の真ん中に、一際目立つ馬車。初めて見た馬車の、あれより比べられないぐらい大きな座台。金箔で飾られたそこに、華やかなドレスを着た、少女。結いあげた金髪の、前髪を風になびかせてこっちを見てる。さぁっと血の気が引くのを感じた。膝がガクガクする。ああ。あたし、あの子を知ってるよ。手が震える。冷や汗が止まらない。
だって、あの子は――
「―――――――!」
少女が叫ぶと同時に、衛兵たちがあたしの方へ走ってきて、あたしはあっさり捕まってしまった。
「…――。」
衛兵さんに小声で囁かれた言葉も、やっぱり理解できなかった。
「…ねぇ。パラレルワールドって、やっぱり存在するのかな?」
知らね。
そんな答えが、返ってきたように思った。太腿に乗せた頭をさらさらと撫でながら、あたしはあの恐怖を反芻した。
あの後あたしは断頭台に上がって、3時丁度の鐘の音と同時に処刑された。もちろん、何人もの罪なき人達の血が染み込んだ、あのギロチンで。少女の高い笑い声を最期に、あたしの世界は終わった。
そう。あの曲の世界。「悪ノ娘」なんて呼ばれた、違う世界のあたし。そしてあの少年は、その召使。
違う世界の、レン。
「……断頭刑って、あんなに怖いんだね…」
横になっている金髪に言ったつもり。
あの世界のあたしは、数え切れないほどの人々をあの断頭台に送った。そして最後にあれで命を落としたのは、もう一人のあたし。今あたしの膝の上で眠っている、双子の兄の分身。
結局それは曲の中だけの話かと思ってたけど、でもあの世界はきっとどこかに存在してる。そしてあの曲の主人公が死んでも、あの世界はまだ廻ってる。
今この世界が、主人公なしで廻っているように。
「…………あったかい」
風で流れるその髪に指を通す。なんでかな。その体はすごく温かく思うの。きっときみは、あっちでもこっちでもあたしのことを思っててくれたんだよね。
「ね、今日、何の日か憶えてる?」
うーん…。憶えてない、かな。きみは「そんなこと」って言って、いちいち覚えようとしないだろうしね。
「………はっぴーばーすでー。レンと、あたしも。」
風に撫でられた頬がくすぐったい、とでも言うように、その頬が緩んだように見えたのは気のせいなのかな。
踏んだ地面も建物も石造り。あっちへこっちへ行く人の服は見慣れない。結婚式とか、そういうところで着るような服を着た人がたくさんいる。馬が人を乗せた車を引いて走ってる。
なに、これ。
知らない。知らない。
どこ?ここ。
ミク姉もルカちゃんもめー姉もいない。カイト兄も、レンも。みんないない。
かつかつとせわしなく鳴り響く足音が耳を塞ぐ。人混みがすごい。と、あたしはよく見た面影を見つけた。レンだ。人の流れを上手く避けながら、あたしはレンに近付こうとした。
「レン!」
何メートルもある距離で、あたしは叫んだ。
「レン、レンっ!まってどこ行くの?」
レンはこっちに気付かない。それどころか、周りに遠慮する気配もなくさっさと歩いていく。まるでなにかに急かされるように。
「レン!まってよあたし!リンだよ…!」
あれ?なんでそんなカッコしてんの…?
レンはこの世界に溶け込んでいた。それはつまり、あたしからすれば見慣れない恰好。いつもは着ないカッターシャツの上に堅苦しい上着。よくみたら、髪もいつも留めてる位置よりずっと低いところで結ばれていた。
レン…じゃない…?でも、見るほどレンみたい…。
おぼろげににそんなことを考えている内に、レンはどんどん進んで行って、雑踏の中に紛れて消えていってしまった。
「そんな…」
どうしよう。家に帰れない。ほんとにここ、どこなの…?
きょろきょろと周りを見回す。すると、さっきまであんなに混んでいた道路が一気に開けていっていた。ど真ん中に立ち尽くすあたしをおいてけぼりにして。
「―――――!」
道の端にいた男の人が、こっち向いて何か叫んでる。でもそれはあたしの知る言語じゃなくて、微塵も理解できない。あたふたしてるあたしを見て、だけどだれも近付いてこない。ただ叫ぶだけ。
なんなんだろう。
そう思ったその時、なにかを知らせるような甲高い管楽器の音。行進曲でも披露されるのかな、なんて吞気なことは考える暇さえなかった。道端にいる全員が驚いて、顔を青くして手招く。早くこっちに来なさい、と。その顔の青味に、あたしはすぐにここを退かなければいけないと察知した。察知して、駆ける、一歩目を踏んだ、時。
「―――!!」
ビクッ。
肩を揺らして、声のした方を見る。なんだろ。冷や汗が出てきた。なんで?なんでこんなに、心臓がうるさいの…?
周りの人は顔を伏せた。ここから続く一本道、その向こうには。
………王女様。
兵隊の恰好をした集団の真ん中に、一際目立つ馬車。初めて見た馬車の、あれより比べられないぐらい大きな座台。金箔で飾られたそこに、華やかなドレスを着た、少女。結いあげた金髪の、前髪を風になびかせてこっちを見てる。さぁっと血の気が引くのを感じた。膝がガクガクする。ああ。あたし、あの子を知ってるよ。手が震える。冷や汗が止まらない。
だって、あの子は――
「―――――――!」
少女が叫ぶと同時に、衛兵たちがあたしの方へ走ってきて、あたしはあっさり捕まってしまった。
「…――。」
衛兵さんに小声で囁かれた言葉も、やっぱり理解できなかった。
「…ねぇ。パラレルワールドって、やっぱり存在するのかな?」
知らね。
そんな答えが、返ってきたように思った。太腿に乗せた頭をさらさらと撫でながら、あたしはあの恐怖を反芻した。
あの後あたしは断頭台に上がって、3時丁度の鐘の音と同時に処刑された。もちろん、何人もの罪なき人達の血が染み込んだ、あのギロチンで。少女の高い笑い声を最期に、あたしの世界は終わった。
そう。あの曲の世界。「悪ノ娘」なんて呼ばれた、違う世界のあたし。そしてあの少年は、その召使。
違う世界の、レン。
「……断頭刑って、あんなに怖いんだね…」
横になっている金髪に言ったつもり。
あの世界のあたしは、数え切れないほどの人々をあの断頭台に送った。そして最後にあれで命を落としたのは、もう一人のあたし。今あたしの膝の上で眠っている、双子の兄の分身。
結局それは曲の中だけの話かと思ってたけど、でもあの世界はきっとどこかに存在してる。そしてあの曲の主人公が死んでも、あの世界はまだ廻ってる。
今この世界が、主人公なしで廻っているように。
「…………あったかい」
風で流れるその髪に指を通す。なんでかな。その体はすごく温かく思うの。きっときみは、あっちでもこっちでもあたしのことを思っててくれたんだよね。
「ね、今日、何の日か憶えてる?」
うーん…。憶えてない、かな。きみは「そんなこと」って言って、いちいち覚えようとしないだろうしね。
「………はっぴーばーすでー。レンと、あたしも。」
風に撫でられた頬がくすぐったい、とでも言うように、その頬が緩んだように見えたのは気のせいなのかな。
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