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ボカロとか東方とかWJとかが好きなかんりにんの、夢とか日々とか妄想とかが詰まった小さな部屋。

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こんにちは。母がいないのをいいことにPCをやりまくっているかんりにんです。
双子の話とーかっ!です。そんな長くないです。とりあえず、時間の合間を縫って作ったかんじですが、それでもいいよ、見てやるから、という方はどうぞ続きから。



すーぱーかがみねぶらざーず


「あー、またしんだぁ」
「またかよ。へただなリンは」
 リンの声が聞こえてきて、おれは読んでいたマンガから一旦目を離し、そのままテレビ画面に向けた。無駄にでかいそこには、同じく無駄にでかい文字で「GAME OVER」と書かれている。その向こうでは、まるでプレイヤーをあざ笑うかのように敵キャラがうろうろしている。そう、つまり、テレビゲーム。リンはもう何度目か分からない、ゲームオーバーを知らせる音楽をまた流した。ほんと、何回目だよ。
「む?じゃあレン、やってみてよ」
 リンは首だけこちらに回して、挑戦的にそう言った。おれはその青い瞳を見つめながら、どうするか考えた。別におれ、そのゲームあんまし得意じゃねーし。けど、へただって言ったしなぁ。一瞬の思考の末、へただと言ってしまった手前、後には引けない。そんな結論が出た。
「いいぜ?」
 マンガの続き、すげー気になってんだけどな。ぱた、と持っていた本を閉じて、自分の座っているすぐ隣に無造作に置いた。それからリンに言って、座っていた場所を空けてもらった。左腕を絨毯越し床の上に立てて、そこに重心を乗せながら右足で床を蹴る。ずいっと体ごと移動して、マンガと同じように置かれているコントローラーを手に取った。リンはおれの左で、どかっとあぐらをかいている。さっきまでリンが握っていたせいで生温かいそれを両手で持ち直す。
「っし。見とけよ?」
 黙って頷くリンを横目でちら、と見て、そしてテレビ画面と向き合った。リンと同じようにあぐらをかいて、膝の上に手を乗せる。横向きになっているコントローラーの真ん中の、丸型プラスボタンを押すとゲームスタート。その合図である軽快なBGMとともに、おれの操作するキャラクターは動き出した。右向き一方通行のスクロール画面。これは、アイテムやボタン操作を駆使して敵キャラを倒しながら、ゴールに向かうゲーム。そしてゴールである旗を手に入れれば、ゲームクリアとなる。その間の短いようで長い道のりの中、いかにしてポイントを稼ぐかが重要なところでもあるし、今回は見せ場でもある。高ポイントでゴールしてやれば、リンは何も言えなくなるに違いない。だから今回は、スピードよりも得点重視で進むことにする。ブロックの床の上を、おれの指示通り動く主人公。歩きとダッシュをうまく使いこなし、とんとんとゴールまでの距離を詰めていった。しかし、あいつが出てきたところでおれは操作する手を止めた。
「でた!ハンマーだよ!」
 隣でリンが叫ぶに近い声を発した。その通り。目の前に立ちはだかるのは、やたらめったらハンマーを投げつけてくるあいつ。しかも2匹。もうすでにばんばんハンマーを投げつけられている。リンが何回やってもクリアできなかったのは、おそらくこいつのせいだろう。あいにく遠距離攻撃を身に付けていない主人公にとったら、こいつは一番厄介だと言っても過言ではないほどの敵だ。
「レン、行けんの?」
 おれをなめんなよ。心の中でそう返して、画面に集中する。ゲームってのは、必ずクリアできるようにプログラムされている。現にこのハンマーヤローは、ハンマーを一気に投げまくった後には次を投げるまでに数秒のインターバルがある。つまりそこが勝負。その隙さえ突ければ、一気に突破できる。しかし、2匹同時となると、もちろんタイミングが狙いにくい。降り注ぐハンマーの射程圏外で、そのズレをただ待つ。と、制限時間が迫って来ているときの、警報のようなBGMが鳴った。そんなの気にしていなかったおれは、いきなり鳴ったその音に驚いてびくっと身震いした。リンの焦りの声が聞こえる。流れていたBGMのテンポが急に速くなって、少し焦り始めた、そのとき。
「…きたっ!」
 2匹のハンマーのインターバルが重なった瞬間、おれは十字キーの右を強く押して、一緒に丸型1ボタンも押して2匹の間を駆け抜けた。
「うわぁ!ぬけちゃった!」
 その声音が、リンが興奮していることを教えてくれた。案の定、リンは今のところでつまづいていたようだ。それはともかく、時間が無い。難関は突破したものの、ゴールの旗を取らないとゲームクリアにはならない。早く早く、そうリンに急かされて、ダッシュでゴールに向かう。コインを取らず敵も倒さず、土管にも潜らず走る主人公。こんなゲーム、あってもいいのか?なんて疑問に思いながら走り続けた先、ブロックが積まれただけの高い階段が現れた。これを一番上まで登って勢いよく飛び降りれば、旗にしがみつける。そうすれば、ゲームクリアだ。
「10秒10秒!」
 ブロックを二段飛ばしに跳ねていく。かろうじて時間には間に合いそうだ。階段を登り終え、天辺の狭い足場の上で勢いよく飛ぶために助走する。
「これでクリアだっ!」
 ブロックの端ぎりぎりで、おれは十字キーの上を押した。すると主人公は、華麗に宙を舞い、そして格好悪く旗の先にしがみついた。ようやっと、ゲームクリアだ。始まりと同じように軽やかなBGMが鳴って、主人公はするすると旗を降り、そしてその向こう側の城の中へと消えていった。
「レンすごーい」
 ぱちぱちと手の鳴る音がする。リンだ。おれはリンの方に首を回して、だろ?と得意な顔で言った。
「はい、つづきやれよ」
 そう言って、コントローラーをそっと置いた。それからマンガに手を伸ばして、ぱらぱらとページをめくる。さっきのとこ、どこだっけな。確か…。
「やってよ」
「……は?」
 おれは一瞬、リンの言ったことが分からなかった。視線をリンに向けて、瞬きを一つ。間もなくリンは、床に置かれたコントローラーを取っておれに差し出した。なに?やれってことか?そう聞くと、リンはにこやかに笑って、こくっと頷いた。
「マンガ、読みたいんだけど」
「えー、いーじゃん!やってよぉ」
「自分でやれよ。ハンマーはクリアしただろ?」
「っていうか、この先全部のコースにあいついるよ」
「……まじ?」
「うん。だから、」
 中途半端なところで言葉を切り、コントローラーを手のひらに押しつけられた。どうやらおれは、こいつのゲームに付き合わなければならないらしい。下手すれば、最後まで。
「自分のゲームだろ?」
 自分でやるように促してみるが、すでにやる気はないらしい。ごろんと大の字で寝転がって、小さくあくびをしている。んー、と言葉を漏らして、それから言った。
「だって、レンやってんの見る方が楽しいもん」
「おおう。なに?それ、まじで言ってる?」
「あったり前じゃん?」
 じゃなかったら自分でやるし。そう言われて、おれの何かに火がついた。マンガを放り投げて、再びコントローラーを握った。
「お?レンやんの?」
「いいぜ?やってやらぁ」
「ほんと?レンかっこいーっ!」
「ったりまえだろ?ほら、行くぞ?」
「うん、レンふぁいとー!」

 そうして、リンにうまいこと乗せられたままプレイすること約半日。
 めー姉に怒られて、次から気を付けようと思ったおれでした。

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