忍者ブログ
2026.06│ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30

ボカロとか東方とかWJとかが好きなかんりにんの、夢とか日々とか妄想とかが詰まった小さな部屋。

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

#80
img053.jpg




今回のお話はルカルカです。
厳正なるあみだの結果だよ!しかし、4/11でミクルカだったのに、いっこも来なかった件について。カミサマはミクルカを描かせてくれない…。

あ、タイトルは「ふたりにしょく」と読んでくれたらいいです。




「とりあえず、この辺かりるわよ?」
「あっ、ハイ。」

 こんばんわ。巡音ルカです。
 えっと、いきなり状況を説明するなら、わたしがもう一人、わたしの部屋にいます。はい。

色二人二

 
 なんでも、うちのマスターが友だちさんと合作するらしく、今日から収録が終わるまで、相手さんのトコの巡音さんと一つ屋根の下一緒に暮らすことになりました。で、何故か成り行きでわたしの部屋にお迎えすることに…。
 メイコさん曰く、
「おんなじ者同士、一緒に寝たらいいじゃない。」
 だ、そうです。曰くでも何でもないです。あと、ついでにお世話係(?)も任されちゃいました。お世話って言うか、もう勝手にやってくれてるんですることないんですけど。

 
 わたしが床に膝を立てて座っているのに対して彼女はベッドに腰かけているため、自然と彼女を見上げる形になる。荷物を整理し終えたらしいそのひとは、先ほどからヘッドフォンに手を当てて、俯きがちで、なにかを聴いてるようだった。口元が微かにに動いているから、歌でも聴いてるんだろうか。もしかしたら、今回の合作曲のメロディーを聴いてるのかもしれない。時々眉がピクッと動くのは、思い描く音と違うからだと思った。わたしもたまにそれをする。する、というよりはほぼ脊髄反射による自動的なものだけれど。
 そういえば、彼女はもう詳しい説明を受けているのだろうか。わたしはまだ。マスターはだいたいなんでも直前になってからいうタイプで、今回の合作の話も彼女のお泊りの話も、彼女が来る1時間10分前に初めて知った。その時のみんなの慌てっぷりといえば、ここ最近では一番だったように思う。
 なんせわたしがもう一人来るということで、今日の夕飯はどうしよう、とか、うちのルカと違って女王様だったらどうしよう、とか、マグロのストックがないから買ってこようか?とか。だれかさんのおかげで密の高い1時間になってしまった。メイコさんは何故か昼間からお酒に手を染めてるし、リンちゃんレン君は寝たふりかますし、ミクちゃんなんかはそんなことより…なんて言い出して、何か嫌な予感がしたのでその続きは聞かなかった。あのなにかたくらんでいそうな顔を見た瞬間に寒気がしたのは、今までの経験によって培われた防衛本能が危険信号を発したためだと信じて。
 わたしはわたしでとてもビックリした。自分と同じ容姿のひととしばらく同居することになるなんて。他のひとが来れば、それはおもしろいことになっていただろう想像がつく。だけど、いざ自分が、となれば、見える景色がこんなに違うだなんて。実際一目見たときも、自分は玄関ではなく鏡の前に立っているかと錯覚したほどだった。わたしの斜め前で行われていた彼女とカイトさんのやりとりなんて、これっぽっちも耳に届かなかった。驚きのあまり。
 彼女がわたしの額にデコピンするまで、わたしの体内時計は職務を放棄していた。

「あなた、大丈夫?」

 それが、わたしの記憶上初めて聴いた、彼女―“巡音ルカ”の言葉だった。
 少し低めなその声は、間違いなくわたしと同じだけど、でも違うものだった。彼女のマスターによる調声もあるのだろうが、同じ製品でも個々で人格データが違うように、それと同じような原理でわたしと彼女はやっぱり別。服装はもちろん、髪の色も、瞳の色も、ぜんぶ一緒。なんだけど、彼女は彼女という“巡音ルカ”なんだと、ぼんやりと理解した。その後で冷たい青い瞳に気がついて、つい口をとがらせてしまったことは今では少し後悔してる。第一印象はやっぱり大事なんだな、と、今の沈んだ空気を肌で感じながらしみじみと思った。

 再生していた曲が終わったのか、彼女は顔を上げて、わたしの方を見た。ふいに視線が触れてどきっとした。
 あの最悪な対面の後、二人きりになったのは今が初めてだ。あの時凍てつくほど冷たかった冬の海は、今ではなぜか少し不安そうに揺らめいている。何を言えばいいのか分からない。と、意外にも向こうから話を振ってくれた。
…たのしい?
「え…?」
 話を振ってくれたはいいものの、あまりに小さい呟きは言葉を不明瞭にさせた。気に障らない程度に聞き返すと、彼女は斜めに下ろしていた脚を持ち上げて、膝を抱えた。そうしてできた腕とひざの中のスペースに目の下まで埋めて、もう一度。
「…みんなといるの、たのしい?」
 きゅっと膝を抱きしめて、彼女はさらに続けた。
「ごめんなさい。ああいう時、どう声をかけていいのか分からなくて…。気に障ったのなら、謝るわ。」
 ああいう時とは、初めに掛けられたあの言葉のことだろうか。冷めた口調で言われて、反射的に不満そうな顔をわたしはした。しかしそれはあくまでも反射的な行為なのであって、やめておけばよかったとは思うがそこまで気にしているつもりはない。
 もしかして、このひとは、あの瞬間から今に至るまで、そのほんのささいな出来事をずっとひきずっていたのかもしれない。今のこのひとの様子を見る限り、それはあり得る話だ。なら、仮にそうだとして、わたしはどう発言すればいいのか。全然気にならなかったといえば、それはウソになる。でも、本当にそこまで気にしてない。なら。
 容量の大半を歌唱プログラムに回してしまった融通の利かない頭は、いつまでたってもその答えを出せずにいた。あーだのうーだの、そんな子どもの出すような声が間抜けに部屋に響く。
 彼女の瞳はまっすぐにわたしのそれを射抜いていて、視線をそらすことはない。いや、まっすぐと言うと語弊があるかもしれない。ふらふらと、実線で表すなら波線状に、ただ行くあてのない視線が放浪して、わたしの目にたどり着いた、というかんじ。だからたぶん、彼女の目にわたしの表情なんて映ってないはずだ。もっと奥。もっと、もっと深い所に、彼女の意識は沈んでいる。のかもしれない。
「……いえ、謝られるほどのことじゃないです。」
 わたしはやっとのことで声を発した。文法的にどうだとか、そんなことを考えてる暇はなかった。
 とにかく何か言わなきゃ。
 そんな変な焦燥感に煽られて発言したわたしのこころは、おかしなことに安堵に包まれていた。ただ発言しただけなのに。
 ピクリとも反応しないところを見ると、きっと、わたしの言葉なんて耳に入っていないんだろう。なんとか言葉を振り絞ったのに結局独り言みたいになってしまったことに少し淋しさを覚えながら、未だ火花を上げている焦点をぼーっと眺めた。
 わたしと寸分違わない身体。なんだか、コピーみたい。気持ち悪いくらいに同じそれに、しかし脳は意外にも落ち着いている。それはだって、一緒すぎるから。初めて見たときもそうだったけど、鏡の前に立っているような、錯覚。自分がもう一人。別人だという意識は、まだはっきりとは掴めていない。頭ではわかってるつもりだけど、一旦理解したつもりだけど、脳ではあんまり理解できてない。全てが一緒。逆にすごいと思う。これほどまでのそっくりさんを、人間は大量生産しているのだから。

 いつの間にか、浴びていた視線が確かになっていた。目を大きく見開いてわたしをじっと見つめている。何かを言いたそうに唇が微かに動く。けれど音にはならず、わたしは彼女の考えていることが分からなかった。
「―あ、そういえば。」
 沈黙を破ったのは、彼女の方だった。独り言のように言葉を宙に浮かべて、彼女の2つあるバッグの小さい方のジッパーを開けた。
 何をするのだろう、と見ていると、彼女はその中から何かを取り出してテーブルの上に置いた。
「お土産。よかったらどうぞ。」
 銀色の包みが2つ。緑のラベルには「川根茶」と書かれている。緑茶、だろうか。その地名からして。
「静岡に住んでるんですか?」
 きっと、そこの人だろう。
 軽くマルバツゲームみたいな感じで聞くと、彼女はさも当たり前のように、ええ、と相槌を打って、続けた。
「本当はもう少し違う物でもよかったのだけれど、静岡といえばこれだしね。」
「いえ、緑茶ってあんまり飲まないのでよかったです。」
「あら、そう?ならよかったわ。」
 笑みを返しながら再びベッドの方へと戻る彼女を見て、微かな違和感を覚えた。しかしそれがはっきりと、具体的には何なのかまでは頭が回らなかった。そんな自分にも違和感を感じて、なんだか今日はよく考える日だなあ、と簡潔な文章を打ち込んで、思考にピリオドを打った。

「すいません。一つ、聞いてもいいですか?」
 他にすることもないので、とりあえず何時間も前から抱いている疑問を解こうと思った。
 そのつもりで声をかけたのに、彼女はすでに自分の世界へと旅立ってしまったよう。ヘッドフォンに手を添えて、先程と同じようにぶつぶつ呟いている。
 ただ、先程と違うのは、目を閉じていること。それもただ閉じてるだけじゃない。ずっとそうしていたら痺れてくるんじゃないか、と思うくらいに、彼女の眉間のしわは深い。力一杯に目を瞑っている。その光景は、世界といっしょにわたしも拒絶されているようで、悲しい。だからわたしは、無理にでも、世界を繋げたかったんだと思う。
 

 気がつくと、わたしの目の前に彼女がいた。…逆だ。彼女の目の前に、わたしはいる。
 わたしの手には見慣れたヘッドフォンが、彼女の眉間のしわはすっかりその跡を消して、代わりに青い瞳が散大している。驚きの色を帯びたその瞳から、彼女の今の心情が伝染しそうだ。
 なにをしているのだろう、わたし。意味分かんない。
 けれど、そんなことよりもっと不可解なのは、彼女。

なんで、そんな、泣きそうなの…?

 悲しいから泣きそうなんじゃない。苦しいからでもない。辛いからでも、痛いからでもない。
 彼女は確かに、うれしそうに、一粒の涙を零した。

 わたしは一瞬、バグなのかと思った。でも、違った。
 彼女は目じりに薄く溜まった涙を拭いながら、その理由を話してくれた。

「今まで私に触ってくれるひとなんていなかった。私のPCに、VOCALOIDは私独りだから。だから、今回のこの話をマスターから聞いた時はすごくうれしかったの。初めて私以外のVOCALOIDに会えるから。私と同じ、―あなたもいると聞いたわ。ひとと触れる、って、どういう感じなんだろう。ずっと経験してみたかったの。でも、うれしいと同時に、少し怖かった。もう既に集団を成しているその中に、独りで入れるのかしらって。もしかしたら仲間外れにされるかもしれない。環境に慣れず、あなたたちに慣れずに仕事が終わってしまうかもしれない。そう思うと本当に怖かった。けれど、」
 彼女はそこで言葉を切った。切って、何かを探すように目線を泳がせた。
 どうしたんだろ。
 そう思わせるより前に、彼女はもう一度、口を開いた。
「I'm glad to meet you.  Thanks to you,I'll have a nice time.」
 気恥ずかしそうにそう言った彼女は、けれども晴れ晴れとした顔をしている。
「いえ―、Me too!  This meeting with you too good to be true.  I'm happy.」
 あるだけの気持ちを乗せて言葉を届けると、彼女は本当にうれしそうに、幸せそうに笑ってくれた。それだけでもううれしくて、勢いのままに彼女を抱きしめた。
「ぅわっ!ちょ、ちょっと?!」
 取り乱した声が聞こえて、慌てて彼女を解放する。そっか。ひとと触れたことがないから、こういうのも慣れてないんだな。と、いうか、ヘタしたら今のが初めて抱きしめられた、とか…?…あー、もうちょっと自重するようにしよっと。
「…あ、」
 指に彼女のヘッドフォンが引っかかっていることを思い出して、ごめんなさいの一言も一緒に添えて彼女に返した。彼女はわざとらしい咳払いを一つして、それからヘッドフォンを元の位置に収めた。
「……ね、なに聞いてたんですか?」
 なんとなくいやな雰囲気に流されまいと、ちょっと気になっていたそれを尋ねた。すると彼女は目を大きく見開いて、なぜか顔を真っ赤にさせた。わたしもこんな顔をするのだろうか、なんてぼんやり考えて、急に恥ずかしくなってきた。わたしはすぐ顔が赤くなるらしいから、こんな顔を事あるごとに見せてるに違いない。…あ、だからミクちゃんは、その時のわたしを見て笑うのか。……なっと、く。
「ルカぁ?おやつあるから降りといでー。」
 突然の大声に、わたしたちは驚いて肩を揺らした。ぱちぱちと瞬きを繰り返す瞳と数秒目があって、どちらからか笑いかけた。
「行きましょっか。」
「ええ。」


「あ、ミクちゃん、お茶入れてくれる?」
 あのひとからもらった緑茶の包みを指差してミクちゃんに頼む。
 わたし、そういうのは苦手だから。なんて、言わなくても分かってくれてるようで。
「これ…、緑茶?」
 袋を開けて中身を確認したミクちゃんは、少し不思議そうに聞いてきた。
「うん。お土産だって。」
「……そういえば、」
 わたしとミクちゃんの会話を聞いていたらしい彼女も、ミクちゃんと同じような顔をして、言った。
「あなた何故、川根町が静岡の地名だって知っていたの?」
「え……………………、」
 ……………………あれ?そういえば、




―――――――――――――――――
途中入れた英文は、合っているかは定かじゃあないですすいませんっ!英語の成績はそんなに良くないものでして…。
「あなたに会えてうれしいわ。あなたのおかげで、いい時間が過ごせそう。」
「いえ―、わたしもです!本当とは思えないくらい、いい出会いです。」
…みたいな会話になってるはずです。しかし、英文を起すためだけにあんなに時間を費やすとは…orz
あと、中途な感じで話が終わってるのは仕様です。あしからず。

拍手

PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
おじゃまします!
先日はサイトへ拍手コメを送っていただきありがとうございました!
どこかで見たことがあるブログ名だぞ、と思ったら、Happy birthday,Lukaの作者様だったのですね・・・!
あの作品は以前コソーリ読ませていただきました。心がほっと温かくなったのを覚えています。
他の作品も色々拝読させていただきました。
その中で、この2人のルカのお話が特に気に入ってしまったので、ここにコメントさせていただきます。
どの作品も語り手の感情が丁寧に書き込まれているし、またストーリーもつい引き込まれてしまう面白いものばかりで、とても楽しんで読むことができました。
さらにむに様は絵もお上手みたいで・・・尊敬しちゃいます。
私も負けていられないなあ・・・!w
これからもお互い創作活動頑張りましょう!
それでは長々と失礼しました。また来ます(・ω・)ノシ
浅羽 URL 2010/07/24(Sat)21:24:35 編集
無題
きゃwww

ルカかわいいっ!!
今度はルキ君も出してほしぃwww
マーヌ URL 2010/07/29(Thu)10:37:39 編集
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
←No.133No.136No.135No.134No.131No.119No.130No.129No.128No.127No.126
カレンダー
05 2026/06 07
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
最新CM
[05/29 かんりにん]
[05/26 死烏]
[05/19 かんりにん]
[05/19 死烏]
[05/15 かんりにん]
ブログ内検索
↓直連絡先↓
かうんたー